種について

『今、日本の種苗は、大変な危険に晒されています。』

種というのは、農民が自家採種・自家増殖をして、先祖代々受け継がれてきました。

20世紀初頭、植物の遺伝法則が理論として確立され、科学的な農業研究が始まりました。

より収穫量が多く、病害虫耐性や気候耐性に優れた品種の開発が始まりました。

この品種開発は、莫大な投資を要求する一方、作成された品種は簡単に増やすことが出来たため、商品としての価値は殆どありませんでした。
このため、当初の種子の研究・開発は公共主体で行われていました。

掛け合わせの技術を持つ「種苗メーカー」が、種苗業界をリードしてきました。

しかし、21世紀を前に遺伝子組み換え(GMO)・ゲノム編集といったバイオ技術が現れたことで事態が激変しました。

これらの技術は、莫大な研究開発費が必要で、それまでの種苗メーカーの守備範囲を遥かに超えていました。

そこで種苗業界に乗り入れてきたのが「バイオメジャー」と呼ばれる巨大資本を有する他国籍化学・医薬品企業群です。

今まで、化学兵器を作っていた会社が、種苗業界に乗り込み、遺伝子組み換え作物を大規模に渡って普及し、瞬く間に業界を席巻しました。

しかし、利益のみを追求し、自然の秩序を無視すると必ずしっぺ返しがあります。

例えば、モンサント社(現在のバイエル社)による遺伝子組み換え(GMO)の種とセットで販売されるラウンドアップ(Round Up)による被害は有名な話です。

『サンフランシスコ湾岸地域のグラウンドキーパーが、ラウンドアップ使用後に非ホジキンリンパ腫の致命的なケースを負ったとモンサント社に対して主張するものでした。

陪審は彼の癌を引き起こしたのはラウンドアップであると結論を下しました。彼らはまた、モンサントが悪意を持って行動し、このグラウンドキーパーと公衆から証拠を隠したと結論付けました。

実際、裁判は数十年にわたる不正行為の証拠を示し、陪審は原告に2億8900万ドル(約300億円)を与えました。
後の陪審もモンサントに有罪を認め、3人目の陪審はモンサントに有罪を認めただけでなく、モンサントが行った法外な方法のために懲罰的損害賠償として原告に20億ドル(約2,100億円)を与えました。
裁判官は裁定額を減らしましたが、今では、バイエル社が示談しない場合は訴訟を起こす事を計画している約125,000人の原告とバイエル社の間で検討されている調停があります。
現在、和解案は約110億ドル(約1兆円)であり、発表された和解は現在バラバラになっている可能性があります…それが進むかどうかはわかりませんが、裁判で判明した証拠は壊滅的であり、
ラウンドアップが癌を引き起こし、モンサントは、年々その証拠を隠し続けた、という非常に多くの証拠を示しています。』 

ジェフリー・スミス Institute for Responsible Technology

膨大な環境との相互作用の果てに、地球という大きな命の循環の中で役割を担った姿が、一つ一つの植物、動物、昆虫、微生物です。
その土台があって、人類との膨大な関わりの中で食料としての作物があります。その種は、人類が守り続けてきた人類共通の財産です。

その部分を無視してグローバル種子企業が勝手にF1種や遺伝子組み換えなどの操作を加え、特許、知的財産権を主張することは、地球に旗を立てて、この星は自分のものと言っているのと同じで道を外れています。まして国際条約を結び、国が、生命である種子に、特許、知的財産権を認めることなど、本来ありえない判断です。

一つ一つの植物、動物、昆虫、微生物の生命の物質的現れが遺伝子DNAであると考えています。その生命そのものである遺伝子を、遺伝子組み換え、ゲノム編集などで、人間が勝手に切ったり貼ったりすることは、命の尊厳を無視した自然に対する冒涜であり、その一つの役割を担った生命に対する冒涜なのです。このような人間の傲慢さから生命をいじくり回された作物は、植物がもともともっている人間の精神性を高いレベルで維持するための力が弱くなってしまうばかりか、食料として食べることで人間の精神性を低下させる原因になりかねません。

人間の精神性が低下している背景には、このような不自然な種をはじめとする食の問題が大きいと感じています。

種子を農薬・化学肥料を扱うグローバル種子企業に握られれば、農家は彼らに隷属し、在来種の種の多様性や生命溢れる土壌は失われ、人々は不自然な種子から栽培された農薬まみれの栄養・ミネラルが欠乏した作物を食べるしかなくなり、病気になるのは必至です。
ぜひ自分事として一緒に取り組んでいきましょう。

もし、グローバル種子企業に私たち農家の方々が作っている作物(穀物や野菜)の自然な種子の権利をとられた場合、彼らがわざわざ手間をかけてそのような自然な種をとり、販売をしてくれるかはなはだ疑問です。
そもそも一企業が一つの種を独占するということは、種を守るという観点にたてばとてもリスクが高いことです。

もし権利だけとられて、自然な作物の種が販売されなかった場合、その作物はあっという間に絶滅してしまい、もう二度と手に入らなくなってしまいます。

収穫祭
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